便秘外来

概要

概要

便秘という言葉は様々な意味で用いられますが、慢性便秘症診療ガイドライン2017では、「本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています(1)。

便秘は男性よりも女性で発症することが多く、男女ともに年齢を重ねるとともに便秘の発症割合は増加します。

慢性便秘症の症状と診断

慢性便秘症の症状としては排便の際に強くいきむ必要があったり、硬い便がでること、残便感を感じること、肛門の閉そく感や排便困難感があること、排便介助が必要なこと、便回数としては週に3回未満程度になることなどがあります。

そしてこれらの症状が6か月以上前からあり、直近3か月間でこれらの症状が2項目以上続く場合に慢性便秘症と診断されます(1)。

また便秘は大きく機能性便秘と器質性便秘に分類されます。

機能性便秘は、主に大腸の便を肛門まで運ぶ運動である蠕動運動が鈍り、便を肛門まで押し出せなくなることによっておこります。

一方器質性便秘では、大腸がんなどの病気によって腸が狭くなったり、腸の形に異常がある場合に生じる便秘を意味します。

以上のことから便秘の原因を突き止めるため大腸カメラが必要になることもあります。不安な場合は主治医の先生に相談しましょう。

 

当院の予約はこちら

 

便秘のタイプや原因の特定

便秘のタイプや原因の特定

便秘には様々な種類があり、便秘の原因も患者さん個々人で異なることが多くあります。さらに便秘の原因とタイプによって便秘の治療も大きく異なります。

当院では排便の状態や症状などを問診を通して確認するとともに腹部の触診や聴診をおこないながら、便秘の原因を特定していきます。また必要に応じて血液検査や大腸内視鏡検査(大腸カメラ)も実施します。

当院の大腸カメラの特徴は鎮痛剤や鎮静剤を使用し、うとうと眠くなるような状態で検査を行うことができ、痛みや不快感を和らげることができる点です。

また日本の内視鏡機器の会社として様々な内視鏡を全国の医療機関に提供しているオリンパス社製の新鋭のスコープを用いますので、腸管を押して不快感を起こす可能性が低く、スコープ先端にフードを装着することでより短時間での検査を実現しています。

慢性便秘症の対処法・治療

便秘には日常生活が大きく影響を与えると言われています。

食生活で意識すべきこと

まず十分な水分補給を行いましょう。水分補給は排便を促進する上で大切な役割を担います。

その人の状況や体型などにより必要な水分量は異なりますが、目安として、コップ一杯程度の水(約200ml)を6-8杯程度を目標に意識して摂取しましょう。

また食べ物の観点では、便秘は食物繊維不足により引き起こされることが多く、食物繊維の摂取量を増やすことが推奨されます。

食物繊維が含まれる食品は以下となります。

穀類 麦ご飯、玄米、ライ麦パン、全粒パン、全粒パスタ など
フルーツ ベリー類、チェリー、グレープ、キウイフルーツ、パインアップル、
プルーン、皮のついたりんご/なし/桃 など
野菜 キャベツ、セロリ、とうもろこし、グリンピース、おくら、マッシュルーム、
皮のついたじゃがいも、さつまいも、なす、きゅうり、ほうれん草、トマト など
豆類 黒豆、ひよこ豆、いんげん豆、大豆製品
ナッツ/種 アーモンド、チアシード、塊のナッツバター

日常生活の中で意識すべきこと

ストレスは体の中の副交感神経の働きを鈍くしてしまうことから、腸の運動が少なくなり便秘を引き起こすことがあります。ストレスを感じない生活を心がけましょう。

また適度な運動は腸の動きを活発にします。日々の生活の中で取り入れることができる運動から少しずつ始めていきましょう。

便秘に対する薬物治療

便秘に対する薬物療法はその種類が多岐にわたります。原因をしっかりと特定した上で、患者さんの状況や症状に合わせた治療選択が重要となります。

薬剤の種類については錠剤・液剤・坐薬などがあります。また便秘に対する作用に関しても薬剤ごとに特徴があります。例えば便をやわらかくするものもあれば、腸を刺激し、排便を促すものなどがあります。

どのような薬物治療を選択すべきかについては、便秘の症状により異なります。ぜひ主治医の先生と相談しながら納得のいく治療選択を行っていただければと思います。

当院の予約はこちら

当院の便秘外来について

板橋区にあるほりた内科・胃腸内視鏡クリニックでは、豊島病院や東京医科歯科大学医学部附属病院などで数多くの便秘患者さんの診療を担当してきた院長の堀田が、便秘外来を通して患者さん一人一人に最適な治療を提供します。

納得のいく治療選択を

納得のいく治療選択を

慢性便秘症は他の疾患と同様に長く付き合っていく疾患であることから、患者さんやご家族のご意向やライフスタイルなどに合わせた納得感のある治療選択が重要と考えています。

従事国内や海外も踏まえた各薬剤に対する科学的エビデンスや学会等における消化器専門医の治療選択などの情報も共有しつつも、患者さんのその時々の状況や悩み、ライフスタイルに合わせた最適な治療を、患者さんと一緒に選択していきます。

便秘の原因や患者さんの意向を踏まえた治療選択

便秘ではそのタイプや原因により必要な薬物療法が異なります。患者さんの便秘のタイプや便の状態、年齢、さらには患者さんの意向やライフスタイルも踏まえた上で最適な薬物治療を模索します。

参考文献

  • 慢性便秘症の診断と治療 https://www.kenei-pharm.com/cms/wp-content/uploads/2018/04/shoudokukannrenn_05.pdf
keyboard_arrow_up